会社を辞めたあと、当面の生活を支えてくれるのが失業保険(正式には雇用保険の基本手当)です。ただ、退職してすぐ振り込まれるわけではなく、決まった手続きと待ち期間があります。「申請から実際にもらえるまで」の流れを順番に確認しましょう。
受給までの全体の流れ
退職から振込までは、おおむね次のステップで進みます。
STEP1 退職・離職票を受け取る
退職すると、前職の会社が手続きをして、離職票(離職票1・2)が自宅に郵送されます。届くまでの目安は退職後2〜3週間。これがないと申請できません。なかなか届かないときは、会社かハローワークに確認しましょう(離職票がもらえない・届かないとき)。
STEP2 ハローワークで求職の申込み・受給資格の決定
住所地を管轄するハローワークに行き、求職の申込みをして離職票などを提出します。ここで受給資格の決定が行われ、受給資格者証などが交付されます。この申込みをした日が、すべての起点になります。
持ち物(基本):離職票1・2/マイナンバー確認書類(マイナンバーカード等)/本人確認書類/本人名義の預金通帳またはキャッシュカード/印鑑/写真(マイナンバーカード提示で省略できる場合あり)。
STEP3 待期期間(7日間)
求職申込みの日から通算して7日間は「待期期間」といい、離職理由にかかわらず誰でも支給されません。失業の状態を確認するための期間です。
STEP4 雇用保険受給者初回説明会
指定された日に開かれる説明会(受給説明会)に参加します。受給のルールや、次の認定日・求職活動の進め方の説明を受け、失業認定申告書などを受け取ります。
STEP5 給付制限(自己都合のみ・原則1か月)
自己都合で退職した場合は、待期の後にさらに支給が始まらない給付制限があります。令和7年(2025年)4月1日以降の離職は原則1か月(従来の2か月から短縮されました)。なお、5年間に3回以上自己都合で離職した場合などは3か月になります。
会社都合(倒産・解雇など)は給付制限がなく、待期7日後から支給の対象になります。退職理由がどちらに当たるかは、離職票の離職理由で判断されます。
STEP6 失業認定日(4週間ごと)
原則4週間に1度、指定された認定日にハローワークへ行き、失業認定申告書を提出します。このとき、原則として前回認定日からの間に2回以上の求職活動実績(求人への応募、職業相談、セミナー参加など)が必要です。失業状態が認定されると、その分の基本手当が支給対象になります。
STEP7 基本手当の振込
認定が行われると、おおむね認定日から5営業日ほどで、指定口座に基本手当が振り込まれます。以後は、所定給付日数に達するまでSTEP6→7を4週間ごとに繰り返します。
いつ・いくらもらえる?(目安)
もらい始めのおおよその目安は、次のとおりです。
- 会社都合……給付制限がないため、申請からおよそ1か月程度で初回が振り込まれます。
- 自己都合……待期+給付制限(原則1か月)があるため、初回振込まで申請からおよそ2〜3か月が目安です。
1日あたりの金額(基本手当日額)や、何日分もらえるか(所定給付日数)は、退職前の給与・年齢・加入期間・退職理由で決まります。具体的な金額は 失業保険 計算ツール で試算できます。しくみの詳しい解説は 失業保険はいくらもらえる? もどうぞ。
受給中に気をつけること
- アルバイト・短期の仕事をしたら必ず申告……働いた日や収入は失業認定申告書に正直に記入します。申告すれば支給が先送りになるだけですが、隠すと不正受給になり、受給額の返還や3倍返しなどの重いペナルティがあります。
- 求職活動実績を残す……認定日までに必要な活動回数を満たしていないと、その回の手当が支給されません。
- 早く再就職すると「再就職手当」……支給日数を多く残して安定した職に就くと、残日数に応じた再就職手当がもらえる場合があります。
- 病気・ケガで働けないとき……すぐ働けない状態なら基本手当は受けられませんが、受給期間の延長や、健康保険の 傷病手当金 が使える場合があります。
よくある質問
失業保険は申請してからいつもらえますか?
求職申込みの日から7日間の待期があり、会社都合なら申請からおおむね1か月程度で初回が振り込まれます。自己都合は待期+原則1か月の給付制限があるため、初回振込まで申請から2〜3か月が目安です。
手続きに必要なものは何ですか?
離職票1・2、マイナンバー確認書類、本人確認書類、本人名義の通帳またはキャッシュカード、印鑑、写真が基本です(マイナンバーカード提示で写真を省略できる場合あり)。離職票は退職後に前職の会社から郵送されます。
自己都合と会社都合で流れはどう違いますか?
待期7日は共通ですが、会社都合は給付制限がなく、待期後すぐ支給対象になり給付日数も手厚めです。自己都合は原則1か月の給付制限(令和7年4月以降。5年で3回以上の自己都合などは3か月)があり、もらい始めが遅くなります。退職理由は離職票の離職理由欄で判断されます。
本記事は2026年6月時点の情報をもとにした一般的な情報提供であり、個別事案への適合性を保証するものではありません。手続きの日程・必要書類・給付制限はハローワークや個別の状況により異なります。正確な取扱いは管轄のハローワークでご確認ください。具体的なご相談は 酌井社労士事務所 へどうぞ。