手取りとは?「額面(総支給額)」との違い
給与には大きく分けて「総支給額(額面)」と「手取り額」の2つがあります。総支給額は基本給・残業代・各種手当をすべて合計した金額で、求人票や労働条件通知書に書かれる「月給」は通常この額面を指します。ここから社会保険料や税金が差し引かれ、実際に銀行口座へ振り込まれるのが手取り額(給与明細の「差引支給額」)です。
一般的に、手取り額は総支給額のおよそ75〜85%になります。給与が高いほど社会保険料や所得税の負担割合が上がるため、手取りの割合はやや下がる傾向があります。「額面◯万円だと、実際にもらえるのはいくら?」を知りたいときに、このツールが役立ちます。
給与から引かれる6つのもの(手取りの計算方法)
手取り額は、総支給額から次の6つ(社会保険料・税金)を差し引いて計算します。上のツールは、これらをすべて自動で反映しています。
| 引かれるもの | 内容 | 本人負担の目安 |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 病気・ケガのときの医療保障。40歳以上は介護保険料も上乗せ。 | 約4.9% (協会けんぽ三重・折半後) |
| 介護保険料 | 介護保険の財源。40〜64歳の人だけ健康保険料に上乗せされます。 | 約0.8% (40〜64歳のみ) |
| 厚生年金保険料 | 老後・障害・遺族の年金の財源。料率は全国一律。 | 9.15% |
| 雇用保険料 | 失業給付・育児休業給付などの財源。 | 0.5% (一般の事業) |
| 所得税(源泉) | 国に納める税。毎月は概算で天引きし、年末調整で精算。 | 所得に応じて (累進) |
| 住民税 | お住まいの自治体に納める税。前年の所得で決まります。 | 前年所得の約10% +均等割 |
社会保険料(健康保険・介護保険・厚生年金)は、毎月の給与そのものではなく「標準報酬月額」という等級にあてはめて計算します。上のツールもこの等級表に基づいて計算しています。健康保険・厚生年金・介護保険の保険料は会社と本人で半分ずつ負担(労使折半)し、給与から引かれるのは本人負担分だけです。
具体例:月給30万円の手取りはいくら?
月給(総支給額)30万円・30歳・扶養なし・協会けんぽ(三重県)・一般の事業のケースを、上のツールで計算すると次のようになります。
| 総支給額(額面) | 300,000円 |
|---|---|
| 健康保険料 | −14,655円 |
| 子ども・子育て支援金 | −345円 |
| 厚生年金保険料 | −27,450円 |
| 雇用保険料 | −1,500円 |
| 所得税(源泉) | −6,340円 |
| 住民税(推計) | −12,800円 |
| 控除合計 | −63,090円 |
| 手取り額 | 236,910円(総支給額の約79%) |
このケースでは手取りは約23.7万円です。なお同じ月給30万円でも、40〜64歳の人は介護保険料(この例で約2,430円)が加わり、手取りは約23.5万円と、若い人より約2,000円少なくなります。
月給・額面別の手取り早見表
月給(額面)ごとの手取りのおおよその目安です。30歳・扶養なし・協会けんぽ(三重県)・一般の事業・住民税は推計という前提で、上のツールで計算した概算です。実際は年齢・扶養・お住まいの地域などで変わりますので、正確な金額は上のツールでご確認ください。
| 月給(額面) | 手取りの目安(月) | 手取り率 | 額面の年収目安 (賞与なし・月給×12) |
|---|---|---|---|
| 200,000円 | 約160,000円 | 約80% | 240万円 |
| 250,000円 | 約197,000円 | 約79% | 300万円 |
| 300,000円 | 約237,000円 | 約79% | 360万円 |
| 350,000円 | 約274,000円 | 約78% | 420万円 |
| 400,000円 | 約310,000円 | 約78% | 480万円 |
| 500,000円 | 約383,000円 | 約77% | 600万円 |
手取りでよく誤解されるポイント
- 賞与(ボーナス)は別計算です。賞与は社会保険料・所得税の計算方法が月給と異なります。このツールは月給用のため、賞与の手取りは賞与(ボーナス)計算ツールをお使いください。
- 40歳になると手取りが少し減ります。40〜64歳は介護保険料が上乗せされるためです。65歳以降は給与天引きではなくなります。
- 住民税は「前年の所得」で決まります。1年遅れで課税されるため、新社会人の1年目は住民税がほぼゼロ(2年目から発生)、逆に退職した翌年も前年分の請求が続きます。
- 社会保険料は「4〜6月の給与」で決まります。毎年4〜6月の平均で標準報酬月額(等級)が決まり、その年の9月分から翌年8月分まで適用されます(定時決定)。この時期に残業が多いと、1年間の社会保険料が高くなることがあります。
- 扶養している家族の人数で所得税が変わります。源泉控除対象の配偶者・扶養親族が多いほど、毎月の所得税は安くなります。
計算の根拠・出典
- 健康保険料・介護保険料の料率:全国健康保険協会(協会けんぽ)「都道府県ごとの保険料額表」。初期値は三重県・2026年度(令和8年度)。
- 厚生年金保険料率:日本年金機構・厚生労働省(18.30%=労使折半で本人9.15%、全国一律)。
- 雇用保険料率:厚生労働省の告示。
- 所得税(源泉徴収):国税庁「給与所得の源泉徴収税額表」および「電算機計算の特例」(令和8年分以降・甲欄/乙欄)。
- 住民税:地方税法(所得割・均等割)。本ツールでは総支給額からの概算(推計)です。
各種料率は毎年改定されます。最新の値は、ツール内の「料率の詳細設定」からご自身で書き換えてご利用いただけます。
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よくある質問
月給30万円の手取りはいくらですか?
30歳・扶養なし・協会けんぽ(三重県)・一般の事業の前提では、手取りは約23.7万円(総支給額の約79%)です。40〜64歳の場合は介護保険料が加わり、約23.5万円になります。年齢・扶養・地域で変わりますので、正確には上のツールでご確認ください。
手取り額から額面(総支給額)を逆算できますか?
できます。ツール上部の「手取り → 総支給額(逆算)」に切り替えて、希望の手取り額を入力してください。その手取りを実現するために必要な総支給額の目安が計算できます。
40歳になると手取りが減るのはなぜですか?
40〜64歳の人は、健康保険料に介護保険料が上乗せされるためです。給与が同じでも、その分だけ手取りが少なくなります。
ボーナスの手取りも計算できますか?
このツールは月給用です。賞与は社会保険料・所得税の計算方法が異なるため、賞与(ボーナス)計算ツールをご利用ください。
「甲欄」「乙欄」とは何ですか?
勤務先に「扶養控除等申告書」を提出しているメインの勤務先の給与が甲欄、掛け持ち・副業などの2か所目以降の給与が乙欄です。乙欄は所得税が高めに天引きされます。
入力した内容は外部に送信されますか?
送信されません。入力内容はお使いの端末(ブラウザ)内だけで処理され、どこにも保存されません。
本ツールおよび解説は2026年7月時点の情報にもとづく一般的な情報提供であり、個別事案への適合性を保証するものではありません。社会保険料率・税制は改定されることがあります。給与計算や社会保険の具体的なご相談は 酌井社労士事務所 へどうぞ。