「自分の給料は世間と比べてどうなのか」は、多くの人が気になるテーマです。転職や昇給交渉、ライフプランを考えるうえでも、まずは客観的な「平均」を知っておくと判断の軸になります。ここでは国の統計データをもとに、平均給与の見方を整理します。
日本の平均給与はいくら?
給与の代表的な統計が、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(通称:賃金センサス)です。最新の令和7年調査では、一般労働者の「所定内給与額」の全国平均は340,600円、およそ月34万円でした。
「所定内給与額」とは、毎月決まって支払われる給与(基本給+諸手当)から残業代(時間外手当など)を除いた、税引き前(額面)の金額です。賞与(ボーナス)も含みません。手取りではなく額面である点に注意しましょう。額面から手取りへの計算は 手取り計算ツール が便利です。
「月給」と「年収」はどう違う?
平均給与の数字を見るときに最も誤解が多いのが、月給と年収の混同です。
- 月給(平均給与)……毎月決まって支払われる給与。賞与は含まない。
- 年収……一般に「月給×12か月+年間の賞与」で考える1年間の合計。
たとえば月給34万円なら、単純に12倍すると408万円。ここに年間賞与の全国平均(令和7年で約101万円)を足すと、年収のイメージは約510万円前後になります。残業代がある人は、さらにその分が上乗せされます。賞与は別の統計で集計されるため、「月給の平均」と「年収の平均」は分けて考えるのがポイントです。賞与の平均は ボーナスの平均はいくら? で詳しく解説しています。
業種・年齢・地域で大きく差が出る
「平均34万円」はあくまで全体をならした数字で、条件によって実態は大きく異なります。
- 業種……金融・保険業、情報通信業、電気・ガスなどインフラ系は高め。宿泊・飲食サービス業などは低めの傾向。
- 年齢(勤続)……一般に年齢とともに上がり、50代前後でピークを迎える傾向(業種により形は異なる)。
- 地域……東京都が最も高く、大都市圏が高め。地方ほど水準が下がる傾向があります。
業種別の平均月給(令和7年・早見表)
| 業種 | 平均月給(所定内給与) |
|---|---|
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 444,000円 |
| 学術研究・専門技術サービス業 | 440,300円 |
| 金融業・保険業 | 437,000円 |
| 情報通信業 | 406,000円 |
| 建設業 | 366,300円 |
| 全産業の平均 | 340,600円 |
| 製造業 | 330,000円 |
| 医療・福祉 | 315,700円 |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 277,200円 |
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(一般労働者・男女計・全年齢)より抜粋。最も高い電気・ガスと最も低い宿泊・飲食では、月給で16万円以上の差があります。
都道府県別の平均月給(抜粋)
| 都道府県 | 平均月給(所定内給与) |
|---|---|
| 東京都 | 418,300円 |
| 大阪府 | 348,900円 |
| 愛知県 | 341,600円 |
| 全国平均 | 340,600円 |
| 三重県 | 321,100円 |
| 北海道 | 297,100円 |
| 青森県 | 263,900円 |
最も高い東京都と最も低い県では1.5倍以上の開きがあります。だからこそ、平均は「自分に近い条件」で絞り込んで見るのが大切です。最低賃金の地域差については 最低賃金とは もあわせてどうぞ。
平均の数字を見るときの注意点
- 平均は「真ん中」ではない……一部の高所得者に引き上げられるため、多くの人の実感(中央値)は平均より低めになりがちです。
- 額面であって手取りではない……ここから社会保険料・税金が引かれます。
- パート・アルバイトは別集計……賃金センサスの一般労働者はおもにフルタイム。短時間労働者は水準が異なります。
よくある誤解
- 別の統計の「平均年収」と混ぜて比べてしまう。国税庁の「民間給与実態統計調査」が公表する平均給与は年収ベースでパート等も含むため、賃金センサスの月給とは対象も定義も違います。数字が食い違って見えても、どちらかが間違いなのではなく、別の物差しだと考えてください。
- 求人票の「月給」とそのまま比べてしまう。求人の月給には固定残業代が含まれていることがあります。統計の所定内給与は残業代を除いた額なので、比べるなら求人側も固定残業代を除いた基本給+手当で見ます。固定残業代の内訳は 定額残業代 計算ツール で確認できます。
- 年収を「月給×12」だけで見積もってしまう。賞与を忘れると、全国平均で年100万円ほど少なく見積もることになります。年収で考えるときは必ず「月給×12+賞与」で。
あなたの条件で平均給与を調べる
業種・年齢・都道府県を選ぶだけで、自分に近い条件の平均月給・年収のめやすを表示できる無料ツールを用意しています。賃金センサスのデータをもとに、地域差も反映して表示します。賞与もあわせて知りたい方は 平均賞与を調べるツール もどうぞ。
根拠・出典
- 厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和7年)」(賃金センサス)。平均月給は「所定内給与額」、賞与は「年間賞与その他特別給与額」(いずれも一般労働者・男女計)。
- 同調査は毎年6月分の賃金(賞与は前年1年分)を集計し、翌年に公表されます。数値は調査年で変わります。
- 当サイトの 平均給与を調べるツール・平均賞与を調べるツール も、同じ令和7年調査のデータを使用しています。
よくある質問
日本の平均給与はいくらですか?
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査(賃金センサス)によると、一般労働者の所定内給与額(残業代を除く月給)の全国平均は340,600円、月およそ34万円です。これは税引き前の月額で、賞与(ボーナス)は含みません。業種・年齢・性別・地域によって金額は大きく変わります。
平均給与と平均年収はどう違いますか?
賃金センサスの「平均給与(月額)」は毎月決まって支払われる給与で、賞与は含みません。一方「年収」は通常、月給×12か月+賞与の1年間の合計を指します。比べるときは賞与を含むか含まないかを必ず確認しましょう。
業種や地域で平均給与はどのくらい違いますか?
業種では電気・ガスなどインフラ系(月444,000円)、学術研究、金融・保険業が高く、宿泊・飲食サービス業(月277,200円)は低めです。地域では東京都(月418,300円)が最も高く、最も低い県とは1.5倍以上の差があります。年齢(勤続)でも差が出るため、複数の条件を組み合わせて見るのが実態に近づきます。
平均月給34万円の手取りはいくらですか?
額面34万円なら、社会保険料と税金でおおむね2割強が引かれ、手取りは26〜27万円前後が目安です。扶養の人数や住民税の額で変わります。正確な金額は、総支給額を入れるだけで計算できる手取り計算ツールで確認できます。
平均値と中央値はどちらを見ればよいですか?
実感に近いのは中央値です。平均値は一部の高い給与に引き上げられるため、中央値より高めに出ます。平均は水準のおおまかな目安として使い、業種・年齢・地域など自分に近い条件で絞り込んで見るのがおすすめです。
本記事は2026年7月時点の情報をもとにした(2026年7月12日 大幅加筆)一般的な情報提供であり、個別事案への適合性を保証するものではありません。数値は厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」をもとにした統計上の平均で、公表値や集計区分は変わることがあります。具体的なご相談は 酌井社労士事務所 へどうぞ。