退職金制度の3つの方式とは?
中小企業の退職金制度(退職一時金)は、大きく次の3方式に分かれます。どの方式でも「勤続年数が長いほど・会社都合ほど手厚い」という基本構造は共通です。
| 方式 | 計算のしかた | 向いている会社 |
|---|---|---|
| 基本給連動型 | 退職時の基本給 × 勤続年数別の支給率 × 退職事由係数 | 最も一般的。分かりやすさ重視。ただし昇給すると退職金も自動で増える |
| 定額制 | 勤続年数ごとに決めた定額 × 退職事由係数 | 人件費の見通しを立てやすくしたい会社。給与と退職金を切り離せる |
| ポイント制 | (勤続Pt+役職Ptなどの累計)× Pt単価 × 退職事由係数 | 役職・貢献度を反映したい会社。設計の自由度が最も高い |
計算例(このツールの初期値で作った場合)
基本給連動型で「支給開始:勤続3年・開始支給率1.0か月・1年ごとに+0.5か月・自己都合係数80%」と設定すると、モデル基本給30万円の場合は次のようになります。
| 勤続年数 | 支給率 | 会社都合 | 自己都合(80%) |
|---|---|---|---|
| 3年 | 1.0か月 | 300,000円 | 240,000円 |
| 10年 | 4.5か月 | 1,350,000円 | 1,080,000円 |
| 20年 | 9.5か月 | 2,850,000円 | 2,280,000円 |
| 30年 | 14.5か月 | 4,350,000円 | 3,480,000円 |
自己都合係数は勤続の段階別(例:10年まで70%・20年まで85%・それ以降95%)にも設定でき、「増え方の変更年」を使えば「20年目からは増加を緩やかにする」といった折れ線の設計もできます。
世間相場と比べたいときは 平均退職金を調べるツール(学歴×勤続年数×企業規模×業種の統計)が参考になります。
設計するときの注意点
- 退職金制度は法律上の義務ではありません。ただし制度を設ける場合は、適用範囲・決定/計算/支払いの方法・支払時期を就業規則(退職金規程)に必ず記載する必要があります(労働基準法89条3号の2)。
- 一度作った制度は下げにくい。支給水準の引き下げは労働条件の不利益変更にあたり、原則として労働者の同意や合理性が必要です。最初は控えめに設計し、業績に応じて上乗せする方が安全です。
- 原資の準備方法もセットで考える。中小企業退職金共済(中退共)や企業型の年金制度など、外部積立を使うと計画的に準備できます。掛金や税務は税理士・専門機関にご確認ください。
- 受け取る側の税金は優遇されています。退職金には勤続年数に応じた退職所得控除があり、手取りは 退職金の手取り計算ツール で試算できます。
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よくある質問
退職金制度の3つの方式はどう選べばいいですか?
分かりやすさ重視なら基本給連動型、人件費の見通しを立てやすくしたいなら定額制、役職や貢献度を反映したいならポイント制が向いています。近年は、基本給を上げると退職金も自動的に増えてしまう基本給連動型から、定額制・ポイント制へ移行する会社が増えています。
自己都合退職の係数はどのくらいが一般的ですか?
会社都合を100%として、自己都合は60〜90%程度に設定する会社が多く見られます。勤続年数が長いほど係数を100%に近づける設計も一般的で、本ツールでは勤続年数の段階別(例:10年まで70%・20年まで85%・それ以降95%)に係数を設定できます。
作成した退職金表はPDFで保存できますか?
はい。「PDFでダウンロード / 印刷」ボタンを押し、印刷ダイアログで送信先を「PDFに保存」にすると、PDFでダウンロードできます。勤続年数の行が多いときは用紙の向きを縦のまま、複数ページに分かれて印刷されます。
入力した内容は外部に送信されますか?
送信されません。入力内容はお使いの端末(ブラウザ)内だけで処理されます。