社会保険(健康保険・厚生年金)の加入は、まず 「フルタイムの4分の3以上 働いているか」 で判定し、満たさない場合に 「短時間労働者の5要件」 で判定します。順番に見ていきましょう。
① まず「4分の3基準」で判定
1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が、どちらも 同じ事業所の正社員(フルタイム)の4分の3以上 なら、原則として社会保険に加入します。たとえば正社員が週40時間なら、週30時間以上が目安です。
② 4分の3未満でも「短時間労働者の5要件」で加入
4分の3に満たない人でも、次の 5つの要件をすべて満たすと社会保険に加入します。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 労働時間 | 週の所定労働時間が 20時間以上 |
| 賃金 | 月額賃金が 88,000円以上(年収換算で約106万円。いわゆる「106万円の壁」) |
| 雇用見込み | 継続して 2か月を超えて 雇用される見込み |
| 学生でない | 学生は対象外(夜間・通信制などは除く) |
| 企業規模 | 勤務先が 特定適用事業所(下記参照) |
月額88,000円の判定には、残業代・賞与・通勤手当・精皆勤手当などは含めません(基本給と決まって支給される手当で見ます)。
企業規模の要件(51人以上)と今後の改正
短時間労働者の社会保険適用は、これまで企業規模で線引きされてきました。2024年10月からは 従業員51人以上 の企業(特定適用事業所)が対象です。さらに、この企業規模要件は段階的に撤廃される予定で、将来的には規模にかかわらず短時間労働者が適用対象になる方向で改正が進められています。
50人以下の企業でも、労使合意による任意の適用や、4分の3基準を満たす人の加入は従来どおり必要です。
「106万円の壁」と「130万円の壁」の違い
よく混同されますが、性質が違います。
- 106万円の壁 … 本人が 勤務先で社会保険に加入する基準(上記の月88,000円)
- 130万円の壁 … 家族の 健康保険の扶養から外れる基準
詳しくは 年収の壁(106万・130万)の違い と 130万円の壁とは もあわせてご覧ください。
加入するか迷ったらツールで判定
個別の働き方で加入の要否を判定したいときは、Yes/No形式で進められる 入社手続きガイド が便利です。社会保険・雇用保険の加入と、必要な届出を出し分けます。扶養に入れるかどうかは 扶養判定ツール でも確認できます。
よくある質問
雇用保険の加入条件も同じですか?
別の基準です。雇用保険は「週20時間以上」かつ「31日以上の雇用見込み」で加入します(賃金や企業規模の要件はありません)。なお雇用保険は、2028年10月予定の改正で「週10時間以上」へ対象が広がる見込みです。入社時の整理は 入社手続きの必要書類 も参考にしてください。
本人が「加入したくない」と言えば入れなくてよいですか?
いいえ。加入要件を満たせば、本人や会社の意思にかかわらず加入が必要です(強制適用)。要件を満たすのに加入させないことはできません。
本記事は一般的な情報提供であり、個別事案への適合性を保証するものではありません。具体的なご相談は 酌井社労士事務所 へどうぞ。