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通勤手当の非課税限度額はいくら?|マイカー通勤の上限と2025年改正【2026年版】

「通勤手当はどこまで非課税?」「マイカー通勤の上限が上がったって本当?」。電車・バスとマイカーで違う非課税限度額を、距離別の早見表と2025年改正のポイントつきで整理しました。

通勤手当は「非課税」というイメージがありますが、無制限ではなく上限(非課税限度額)があります。しかも、通勤手段によって金額がまったく違います。さらに2025年にマイカー通勤の上限が引き上げられたため、年末調整での精算が必要になるケースもあります。順番に見ていきましょう。

通勤手当の非課税限度額はいくら?

非課税限度額は、通勤手段で大きく2つに分かれます。

  • 電車・バスなど(公共交通機関)……1か月あたり最高15万円まで(経済的・合理的な経路の運賃額)
  • マイカー・自転車など(交通用具)……片道の通勤距離に応じた金額(下の早見表)

公共交通機関とマイカーを併用する場合は、定期代と距離別の額を合算し、合計で月15万円が上限です。

マイカー・自転車通勤の早見表(2025年改正後)

マイカーや自転車などで通勤する人の非課税限度額は、片道の通勤距離で次のように決まります。

片道の通勤距離1か月の非課税限度額
2km未満全額課税(非課税0円)
2km以上 10km未満4,200円
10km以上 15km未満7,300円
15km以上 25km未満13,500円
25km以上 35km未満19,700円
35km以上 45km未満25,900円
45km以上 55km未満32,300円
55km以上 65km未満38,700円
65km以上 75km未満45,700円
75km以上 85km未満52,700円
85km以上 95km未満59,600円
95km以上66,400円

上の金額は2025年(令和7年)改正後の額で、令和7年4月1日以降に支払う通勤手当に適用されます。改正前より各区分で引き上げられています。

2025年の改正で何が変わった?

2025年(令和7年)11月に、マイカー・自転車など交通用具を使う人の非課税限度額が引き上げられました。ポイントは次のとおりです。

  • 適用は令和7年4月1日にさかのぼる(11月の施行だが、4月分から新しい額が使える)
  • 電車・バス通勤者の非課税枠(月15万円)は変更なし。対象はマイカー・自転車などのみ
  • 4月〜改正前に旧額で多めに課税していた場合は、原則として年末調整で差額を精算する

「4月にさかのぼる」とは、すでに源泉徴収した所得税を計算し直し、払いすぎた税金を年末調整で本人に戻すイメージです。給与計算ソフトの設定(非課税限度額の更新)も忘れず確認しましょう。年末調整の全体像は 手取りの計算方法 もあわせてどうぞ。

限度額を超えたらどうなる?(税と社会保険の違い)

非課税限度額を超えた部分は「給与」とみなされ、所得税・住民税の課税対象になります。たとえば公共交通機関で月16万円の定期代を支給した場合、15万円までが非課税、超過の1万円が課税対象です。

ここが間違えやすいポイント。通勤手当は、社会保険料・雇用保険料の計算では非課税分も含めて「全額」が対象になります。つまり「税金はかからないが、社会保険料の計算には入る」という、税と社会保険で扱いが分かれる手当です。標準報酬月額のしくみは 標準報酬月額とは をご覧ください。

実務でよくあるつまずき

  • 距離を「往復」で判定してしまう。マイカー・自転車の非課税限度額は片道の通勤距離で決まります。自宅から会社まで片道12kmなら「10km以上15km未満」の区分です。従業員の自己申告のままにせず、地図上の合理的な経路で距離を確認しておくと、税務調査でも説明しやすくなります。
  • 「非課税だから」と社会保険の届出から外してしまう。算定基礎届・月額変更届に書く報酬には、通勤手当を非課税分も含めて全額入れます。定期代を6か月分まとめて支給している場合も、1か月あたりに割って毎月の報酬に含めます。
  • 2025年改正後の設定更新・精算漏れ。給与計算ソフトの非課税限度額が旧額のままだと、マイカー通勤者に課税しすぎの状態が続きます。令和7年4月分にさかのぼる差額の精算(原則は年末調整)とあわせて確認してください。

手取りへの影響はツールで確認

通勤手当を含めた毎月の手取りは、総支給額を入れるだけで社会保険料・所得税・住民税まで反映して計算できる無料ツールで確認できます。社会保険料の計算のしくみは 社会保険料の計算方法 もどうぞ。

手取り計算ツールを使う(無料)

根拠・出典

  • 通勤手当の非課税:所得税法 第9条第1項第5号。
  • 非課税限度額(公共交通機関は月15万円、マイカー・自転車は片道距離別の額):所得税法施行令 第20条の2。
  • 国税庁タックスアンサー No.2582「電車・バス通勤者の通勤手当」、No.2585「マイカー・自転車通勤者の通勤手当」。

よくある質問

通勤手当の非課税限度額はいくらですか?

電車・バスなど公共交通機関は1か月あたり最高15万円までが非課税です。マイカー・自転車などの場合は片道の通勤距離で決まり、2km未満は全額課税、2km以上で距離に応じて月4,200円〜66,400円が非課税限度額です(2025年改正後の額)。

2025年の通勤手当の改正で何が変わりましたか?

2025年(令和7年)11月にマイカー・自転車通勤の非課税限度額が引き上げられ、令和7年4月1日にさかのぼって適用されます。電車・バス通勤者の非課税枠(月15万円)に変更はありません。4月以降に多く課税していた場合は、原則として年末調整で差額を精算します。

非課税限度額を超えた通勤手当はどうなりますか?

限度額を超えた部分は給与とみなされ、所得税・住民税の課税対象になります。一方、社会保険料・雇用保険料の計算では、通勤手当は非課税分も含めて全額が対象になる点に注意が必要です(税と社会保険で扱いが異なります)。

マイカー通勤の距離は片道と往復のどちらで判定しますか?

片道の通勤距離で判定します。たとえば自宅から会社まで片道12kmなら「10km以上15km未満」の区分で、月7,300円までが非課税です(2025年改正後の額)。距離は往復ではなく、合理的な通勤経路の片道で測ります。

通勤手当の支給は会社の義務ですか?

法律上の支給義務はありません。支給の有無や上限額は、就業規則や賃金規程の定めで決まります。ただし、規程で支給すると定めた場合は、そのとおり支払う義務が生じます。上限は非課税限度額に合わせている会社が多いです。

本記事は2026年7月時点の情報をもとにした一般的な情報提供であり(2026年7月12日 加筆)、個別事案への適合性を保証するものではありません。非課税限度額・税制は改定されることがあります。具体的なご相談は 酌井社労士事務所 へどうぞ。