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手取りの計算方法|額面(総支給)から何が引かれる?社会保険料・税金の仕組み

「額面30万円なのに、手取りは24万円くらい…」——給料から引かれるお金の正体は何でしょうか。額面(総支給)と手取りの違い、引かれる社会保険料・税金の仕組みと、手取りの目安をやさしくまとめました。

給料には 「額面(総支給)」「手取り」 の2つがあります。手取りは、額面からいくつかのお金を差し引いた「実際に口座に振り込まれる金額」です。

手取り = 額面(総支給)−(社会保険料 + 税金)

給料(額面・総支給)から何が引かれる?

引かれるのは、大きく 「社会保険料」「税金」 の2グループ、全部で次の6種類です。

区分引かれるものざっくりした内容
社会保険料健康保険料病気・ケガの保険。標準報酬月額×料率の半分(会社と折半)
厚生年金保険料将来の年金。料率18.3%を会社と折半(本人9.15%)
介護保険料40〜64歳のみ。健康保険とあわせて徴収
雇用保険料失業給付などの保険。賃金総額×本人負担率
税金所得税(源泉)社会保険料を引いた後の額と扶養人数で決まる
住民税前年の所得をもとに決まり、毎月天引き

2026年4月からは、健康保険料に「子ども・子育て支援金」が上乗せされています(医療保険料への加算)。

社会保険料の決まり方(標準報酬月額)

社会保険料(健康保険・厚生年金・介護保険)は、毎月の給料そのものではなく 「標準報酬月額」 という等級表にあてはめた金額で計算します。たとえば月給29万円〜31万円の人は、標準報酬月額「30万円」の等級として扱われます。

この標準報酬月額に保険料率をかけ、会社と折半した額が、本人の給料から引かれます。料率は都道府県・年度で変わります(協会けんぽの場合)。等級のしくみは 標準報酬月額とは、料率と計算式のくわしい解説は 社会保険料の計算方法 をご覧ください。

所得税・住民税の仕組み

所得税(源泉徴収)

毎月の所得税は、「社会保険料を引いた後の給料」「扶養している人数」をもとに、国税庁の税額表(または計算式)で決まります。扶養が多いほど安くなります。年末調整で1年分を精算します。

住民税

住民税は前年の所得で金額が決まり、6月〜翌5月にかけて毎月天引きされます。そのため、新卒1年目は住民税が引かれない(前年の所得がないため)といった特徴があります。

手取りは額面の何割?(目安は約8割)

一般的に、手取りは 額面の80〜85%程度 になることが多いです。額面が上がるほど社会保険料・税金の負担割合も上がるため、手取りの割合は少しずつ下がっていきます。

  • 額面20万円 → 手取り 約16万円前後
  • 額面30万円 → 手取り 約24万円前後
  • 額面40万円 → 手取り 約31万円前後

あくまで目安です。年齢(介護保険の有無)・扶養人数・住んでいる地域などで変わります。

月収別の手取り早見表(控除の内訳つき)

実際に「何が・いくら」引かれるのか、月収(額面)別に本人負担額を一覧にしました。条件は30歳(介護保険なし)・扶養0人・協会けんぽ三重県の2026年度料率(健康保険9.77%・厚生年金18.30%・雇用保険は一般の事業0.50%)。当サイトの手取り計算ツールと同じ計算方法で、住民税は所得割10%+均等割5,000円の概算です。

額面(月収)健康保険※厚生年金雇用保険所得税住民税(概算)手取り
20万円10,000円18,300円1,000円3,290円7,200円160,210円(約80%)
25万円13,000円23,790円1,250円4,770円9,900円197,290円(約79%)
30万円15,000円27,450円1,500円6,340円12,800円236,910円(約79%)
35万円18,000円32,940円1,750円7,820円15,900円273,590円(約78%)
40万円20,499円37,515円2,000円10,800円19,200円309,986円(約77%)
50万円25,000円45,750円2,500円17,880円25,800円383,070円(約77%)

※健康保険の欄は子ども・子育て支援金(0.23%)を含みます。住民税は「前年も同じ給与だった」と仮定した概算です。額面が上がるほど手取りの割合が下がっていくのがわかります。

条件が変わると金額も変わります。40〜64歳は介護保険料が加わり、額面30万円なら月2,430円の追加です。逆に扶養家族がいる人は所得税・住民税が下がり、額面30万円・扶養2人なら手取りは245,640円と、扶養0人より約8,700円増えます。

実務でよくあるつまずき

  • 求人票の「月給」だけで社会保険料を見積もる。標準報酬月額には基本給だけでなく通勤手当・残業代・各種手当も含まれます。たとえば月給249,000円の人が通勤手当2,000円をもらうと、標準報酬月額は24万円から26万円に上がり、社会保険料も月1,000円以上変わります。見積もりは手当込みの総額で行ってください。
  • 2年目の6月に「昇給したのに手取りが減った」と驚く。住民税は前年の所得に課税され、6月から翌年5月まで天引きされます。新卒1年目は前年の所得がないため引かれず、2年目の6月から始まります。入社2年目は6月からの天引き開始を見込んで家計を組むと安心です。
  • 4〜6月に残業を集中させてしまう。標準報酬月額は原則、4〜6月に支払われた給与の平均で決まり、9月から1年間適用されます(定時決定)。この3か月に残業代が多いと、その後1年間の社会保険料が高いままになることがあります。

正確な手取りは無料ツールで計算できます

「うちの会社の場合、手取りはいくら?」「この求人、手取りいくらになる?」——総支給額を入れるだけで、社会保険・雇用保険・所得税・住民税を反映した手取り額を計算できる無料ツールを用意しています。手取り額から必要な総支給額を逆算することもできます。

手取り計算ツールを使う(無料)

社会保険料の内訳だけを知りたいときは 社会保険料 計算ツール、賞与(ボーナス)の手取りは 賞与(ボーナス)計算ツール が便利です。賞与から引かれるものの解説は 賞与(ボーナス)の手取り をどうぞ。

根拠・出典

  • 健康保険の標準報酬月額・保険料:健康保険法 第40条・第156条、全国健康保険協会「令和8年度 都道府県単位保険料率」。
  • 厚生年金の標準報酬月額・保険料率(18.3%):厚生年金保険法 第20条・第81条。
  • 雇用保険料率:労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第12条、厚生労働省「令和8年度 雇用保険料率」。
  • 給与の源泉所得税:所得税法 第183条・第185条、国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」。
  • 住民税の給与からの特別徴収:地方税法 第321条の3・第321条の4。

よくある質問

額面と手取り、どちらで考えればいいですか?

生活設計は「手取り」で考えるのが基本です。求人票や給与は「額面(総支給)」で書かれていることが多いので、額面から手取りを把握しておくと安心です。

パートでも社会保険料は引かれますか?

労働時間・賃金などの条件を満たせば、パートでも社会保険に加入し、保険料が引かれます。条件は 社会保険の加入条件(パート) をご覧ください。扶養の範囲で働きたい場合は 扶養判定ツール も便利です。

手取りを増やすにはどうすればいいですか?

扶養控除や各種控除を正しく申告する、iDeCoなどの制度を活用するといった方法があります。給与設計や賃金制度のご相談は 酌井社労士事務所 へどうぞ。賃金表の作成は 賃金表(号俸表)の作り方 も参考になります。

介護保険料は何歳から引かれますか?

40歳の誕生日の前日が属する月分から64歳まで、健康保険料とあわせて給与から引かれます。65歳以降は給与天引きではなく、市区町村に納める方式に変わります。

同じ月給でも人によって手取りが違うのはなぜですか?

年齢(40〜64歳は介護保険料あり)・扶養人数・前年の所得(住民税)が人によって違うためです。新卒1年目は前年の所得がなく住民税が引かれないため、同じ月給の2年目より手取りが多くなります。

本記事は2026年7月時点の情報をもとにした(2026年7月12日 大幅加筆)一般的な情報提供であり、個別事案への適合性を保証するものではありません。社会保険料率や税制は改定されることがあります。具体的なご相談は 酌井社労士事務所 へどうぞ。