内定・採用が決まってホッとしたのもつかの間、入社の前にはいくつか準備が必要です。とくに会社へ提出する書類は、給与計算や社会保険・税金の手続きに直結するため、早めにそろえておくと初日の手続きがスムーズです。労働者の立場で「何を用意すればいいか」を順番に見ていきましょう。
入社時に会社へ提出する書類(基本)
会社や雇用形態を問わず、ほとんどの場合に必要になる基本の書類です。
- マイナンバーがわかるもの(本人+扶養家族)……社会保険・雇用保険・税の手続きで使います。マイナンバーカード、または通知カード+本人確認書類など。扶養する家族の番号も必要です。
- 年金手帳/基礎年金番号通知書……厚生年金の手続きに使う基礎年金番号を確認するため。手帳が見つからなくても、番号がわかる書類があればOKです。
- 雇用保険被保険者証……前職で雇用保険に入っていた人は、同じ被保険者番号を引き継ぐために提出します(再就職時に必要)。
- 前職の源泉徴収票……その年(1〜12月)に前職の収入があった人は、新しい会社で年末調整をまとめて行うために必要です。退職時に必ず受け取りましょう。
- 給与振込先の口座情報……金融機関名・支店名・口座番号・名義。本人名義の口座を用意します。
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書……会社が用紙を用意します。記入して提出することで、毎月の所得税が正しく計算されます。
提出書類を「会社が用意・本人が提出・役所へ届出」に分けて詳しく見たいときは 入社手続きの必要書類一覧 を、入社後に会社側で行われる手続きの流れは 入社手続きガイド をどうぞ。扶養に入れる家族がいるかは 健康保険の扶養判定ツール が便利です。
会社によって求められることがあるもの
会社の規定や職種によって、次のような書類を求められることがあります。内定時の案内をよく確認しましょう。
- 住民票記載事項証明書(住所・氏名の確認用。住民票そのものではなく専用様式のことが多い)
- 健康診断書(雇入時健康診断)……入社前3か月以内の診断結果。会社の費用負担で受診する場合もあります。
- 卒業証明書・成績証明書(新卒採用など)
- 資格・免許の証明書(運転免許、国家資格など職務に必要なもの)
- 身元保証書(保証人の署名が必要なことがある)
- 通勤経路・定期代の申告(通勤手当の計算に使う)
- 印鑑(書類への押印用。認印で足りることが多い)
提出前にやっておくとよいこと
前職の退職手続きを終えておく
転職の場合は、前職から離職票(または退職証明書)と源泉徴収票を受け取り、雇用保険被保険者証を手元にそろえておきましょう。離職票が届かないときは 離職票がもらえない・届かないとき を参考に。
健康保険・年金の「空白」をつくらない
退職日の翌日から新しい会社の社会保険に加入するまで日が空く場合は、その間の健康保険・年金をどうするか決めておきます。
- すぐ翌日に入社……空白がなく、原則そのまま新しい会社の社会保険に加入。
- 日が空く……市区町村の国民健康保険+国民年金に加入する、または前職の健康保険を任意継続するなどの手続きが必要です(保険料の支払いが発生します)。
空白期間中に病院にかかると、保険証がないと医療費が全額自己負担になることがあります。短期間でも手続きをしておくと安心です。
入社初日の持ち物チェック
- 提出書類一式(上記でそろえたもの)
- 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
- 印鑑
- 給与振込口座の通帳またはキャッシュカード(口座情報の控え)
- 筆記用具・メモ
- (指定があれば)通勤定期の情報、服装・身だしなみの確認
労働条件は「書面」で確認を
準備と同じくらい大切なのが、働く条件の確認です。給与・労働時間・休日・契約期間などの労働条件は、会社が書面(労働条件通知書)で明示する義務があります。口約束で済ませず、入社前後に必ず書面を受け取り、内容を確認しましょう。
どんな項目が書かれているべきかは 労働条件通知書の書き方・記載事項 を、もらった条件をもとに手取りを試算したいときは 手取り計算ツール をどうぞ。
よくある質問
入社時に会社へ提出する書類は何ですか?
基本は、本人・扶養家族のマイナンバー、年金手帳(基礎年金番号)、前職がある人は雇用保険被保険者証、その年に前職収入があった人は源泉徴収票、給与振込口座です。あわせて会社が用意する扶養控除等(異動)申告書に記入して提出します。会社により住民票記載事項証明書・健康診断書・卒業/資格証明書・身元保証書などが加わります。
年金手帳や雇用保険被保険者証が見つからないときは?
年金手帳がなくても基礎年金番号がわかる書類があれば手続きできます。雇用保険被保険者証は前職の会社かハローワークで再発行が可能です。番号がわからなければ、入社する会社に伝えれば会社経由で確認してもらえることが多いので、まず相談しましょう。
退職から入社まで日が空くとき、手続きは必要ですか?
その間は国民健康保険+国民年金に加入するか、前職の健康保険を任意継続するなどの手続きが必要です。短期間でも健康保険・年金の空白をつくらないのが基本。前職の離職票・源泉徴収票も忘れずに受け取りましょう。
本記事は2026年6月時点の情報をもとにした一般的な情報提供であり、個別事案への適合性を保証するものではありません。必要な提出書類は会社によって異なります。具体的な提出物・期限は、入社する会社の案内に従ってご確認ください。労務に関するご相談は 酌井社労士事務所 へどうぞ。